ソフテックだより 第304号

(2018年4月18日発行)
現場の声編
「入社1年を振り返ってみて ~気がついたら早1年~」
執筆者:K.N.
1. はじめに
私は、2017年4月入社の社員で、入社から1年が経過します。 入社前、私が東京に引っ越してきた頃には既に桜が散り始めていましたが、今回は蕾がほころぶ様を見ることができました。 仕事に関しては未熟を恥じる毎日ですが、それでも、先輩方から業務や社会人としての振る舞いなど、多くのことを教えていただきました。 その中で大変だったことや仕事の中で感じたことについて、紹介させていただきます。 拙さ極まる内容にてお恥ずかしい限りですが、ご通覧いただけたなら幸いです。
2. 最初の関門『電話応対』
私にとって、入社して初めての関門は電話応対でした。 ソフテックでは、新入社員が優先して電話の取次ぎを行うことになります。 入社してしばらくの間は先輩が対応してくださったため、それをこっそり拝見したりイメージトレーニングを行ったりしながら、いずれ来る役割に備えていました。 ただ、私はとても苦手意識を持っていましたが、お手本にしている先輩方は何でもない事のように非常に淀みのない対応をしていました。 その様子を見ているうちにだんだん、そこまで難しいものではないのかもしれないという気になってきます。 初めて電話応対を任されるようになった時、その様子を思い出しながら、 「やることといえば取次ぎ先の方のお名前を伺って、お電話をくださった方のお名前をお伝えするだけだ。案外、いけるかもしれない。」 そう自分を鼓舞しながら電話を取って、お客様の声を聞いた瞬間頭が真っ白になったことを今でも覚えています。 失敗の連続で、一時期は「お電話をくださるなら、その前に“電話をする”と連絡してほしい」と思うくらい電話に拒否感を持ってしまいました。 しかし、この電話応対によって「この人は主にこの作業をしている」、「この人、このグループはこの企業との関わりが強い」、「この人は色々な人から電話が来て忙しそうだ」など、ソフテック社内の様子や空気のようなものを感じることができたように思います。 ついでに申し上げるなら、私は人の名前を覚えるのが苦手なため、電話応対がなければ、下手をすると先輩社員のお名前を全員覚えることができなかったかもしれません。 今でも先輩方から対応についてご指摘をいただいたり、お電話をくださったお相手によっては頭を抱えてしまったりすることがありますが、流石に数をこなすことで慣れてきています。
3. 趣味と仕事の違い
入社してから今までの約1年の中で、いくつかの案件に携わらせていただきました。 ソフトウェアの機能の一部分の開発や、動作を保証するための試験など、先輩方のお手伝いがメインでしたが、自分が趣味でツールを作成していた時とは心構えに大分違いがあるように感じました。 その中の3つを紹介させていただきます。
3-1. 品質と費用のバランスを考える必要がある
まず、品質と費用のバランスを考える必要があります。 費用というのは言い換えると開発にかかる時間です。 基本的に両者は相反する関係にあり、品質を上げようとすれば時間(費用)が掛かり、費用(時間)を抑えようとすれば品質が下がります。 費用にはお客様が受け入れられる程度があり、品質にもお客様が求める最低限度があります。 仕事では、それらを両立させた上で、品質・費用をできるだけ満足する必要があります。 趣味で作成していた頃は利益を出すのが目的ではなかったため「できるまでやる」というスタンスで、処理の作成にどれくらいの時間がかかるかなどは考えることがありませんでした。
3-2. お客様目線
お客様目線に立つことが必要です。 ソフトウェアの開発はお客様のやりたいことを要求仕様にまとめ、それをもとに要件を定めて設計→製造のような流れで進んでいきますが、その過程でお客様との認識のずれを減らすため、電話や会議などで何度も認識を合わせる必要があります。 趣味であれば、作るものは基本的に自分の作りたいものです。 やりたいことなどは全て自分の頭の中にあるため認識がずれることなんてありませんでした。
3-3. 責任が伴う
ソフトウェアの開発に責任が伴います。 やる気が無くなったり技術が足りなかったりしても投げ出すことができません。
今回思い返してみて、これらの違いは、そのまま趣味と仕事の違いになるのかなと感じました。 品質を上げようとすれば時間も費用も掛かります。趣味であれば時間も費用も自分が満足するまでつぎ込めますが、仕事では受容できるコストを考える必要があります。 また、趣味の求めるところは自己の満足ですが、仕事で求めるところは他社と自社の満足です。 そして、結果に対して責任を求めるのは趣味なら自分で、仕事ならお客様と自分の勤める会社です。 以上をまとめると「時間に追われ、責任も負い、求めるものが他人の満足」とも言えます。 「趣味を仕事にするのは難しい」とはよく聞く話ですが、確かにそう考えると、趣味と仕事、両者の間隔は大きいように感じます。趣味と全く同じ感覚で仕事に臨んではいけないと思いました。
4. 1年を振り返って
ソフテックへ入社して1年が経過しますが、初めてのことばかりでとても濃い1年間でした。 振り返ってみると、初めてのことに挑戦するたびに、どこかしら失敗して先輩にフォローいただいていたような気がします。 先輩におんぶにだっこの1年と言えてしまいそうです。ついでに肩車までしていただいていたかもしれません。 入社してから今まで、先輩方から多くのことを教えていただきましたが、教授いただいた直後は渾崙(こんろん)に棗(なつめ)を呑んだような感覚で、しばらく経ってようやく意味を理解できた。ということがほとんどでした。 未だうまく呑み込めていないことも多くあり、私がまだまだ未熟であることを強く実感させられます。 それでも、1年前に比べれば大分マシになれました。 他の方に比べれば微々たる成長かもしれませんが、いずれは先輩方を支えられるよう努めます。 拙さ余る雑文にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。